1/144アッガイ バンダイベストメカコレクション
皆さんには子供の頃にやり残した事はありませんか?挑戦するもあっさりと挫折し、いつか必ずやってやるー!などと思ったことは?ふつうこのような書き出しの場合、後に大成した政治家やスポーツ選手の感動的なストーリーがつづられるところなのですが、私のお話なのでもちろんそんなことはこれっぽっちもございません。
世の中が空前のガンプラブームだったあのころ、すでにラッカー溶剤中毒だった小学生が、とろけた脳みそで誓った”いつか必ず”とは!?
コミックボンボンやホビージャパン、あの伝説(?)のアニメプラモマニュアルなど、プロのモデラーさんたちのすごすぎる作例を目の当たりにして心躍らせていた私は、しかしとにかく言い訳のうまいガキでした。しかもたちの悪いことに、自分自身に対する言い訳こそを最も得意としていたのです!。よーし、俺もやってやる!とばかり理想の完成品を思い描くのですが、所詮は子供。想像上では何体もの究極の完成品を作り上げることができても現実には...。そして言ったものでした。ふっ、やつらは大人だ!くそ高えなんだかよくわからないマシーンを駆使して仕上げてやがるんだ!けっ、この資本主義の飼い犬どもが!(注:溶剤中毒です。)そして時は流れ、その言い訳が(当たり前ですが)まったくの見当はずれであったことを思い知らされるのでした。オタクにとって現実とはいつも残酷に突きつけられる物なのです。そう、もう言い訳も先延ばしもできません。今こそあの少年の時挫折した”いつか必ず目の光るジオンのモビルスーツを作ってやる!”を実現しなくてはならないときなのです!(注:今も溶剤中毒です)
プロポーションは設定画の頭身を踏襲しています。各部の形状はMGキットのものなども取り入れて、可動範囲をできるだけ広く取れるようにがんばってみました。塗装は濃いブラウンとバックパック等のグレーはアッガイ用のガンダムカラー、薄いベージュの部分はサンディーブラウンにホワイトを加えたものです。クロー等はスーパーメタルカラーのスーパーステンレス。各色とも黒でシェーディングしてから乗せています。
モノアイカバーはバキュームフォーム、モノアイレールはエポキシパテとプラバン。首の中の可動用のダイヤルで動かします。各部に適当に筋彫りを加えています。
アッガイといえばこれ、体育座りです。大きな足が干渉するので、股関節を前にスイングさせられるようにして逃がしを作ってあります。
ジオン脅威のメカニズム(笑)!
体育座りをさせるため、膝関節は120度くらい曲がるものを製作。副産物的に(笑)立てひざポーズも再現。
お約束?ですがバックパックのノズルがモノアイのスイッチになっています。ボタン電池を胴体にボックスにはめてからつめています。交換はバックパックをはずして行います。
脚部の外装は流用パーツで構成されております。腿がギャンの腕と肩、脛と足首はアッグガイの物をそれぞれサイズ調整したもの。関節はポリパーツを仕込んだ物を製作いたしました。
オマケとして劇中イメージのスモークブラックのモノアイカバーも製作。
ぐぽーん!
かかってこーい!
ふらりと立ち寄ったいつもの模型店でこいつを見かけ、なぜか促されるように手に取りました。箱の中には相変わらずかわいらしいこいつと、忘れていた遊び心が詰まっていたように感じました。
ああしたい、こうしたい、こんなのもいいなあ...いつのまにやら無我夢中、時間を忘れて没頭してしまいました。ああ、もしかしたらこんなに楽しかったのは20余年暖められてきた制作意欲が満たされていったからなのかもしれませんね。
それではまた!